オイルランタンの明るさは芯と炎とホヤで決まる|メーカー説明書の手入れ方法と、テント内は使用禁止

オイルランタンの明るさは芯と炎とホヤで決まる|メーカー説明書の手入れ方法と、テント内は使用禁止

オイルランタン(ハリケーンランタン)の明るさを左右するのは、芯の太さ、炎の大きさ、ホヤ(ガラス)の汚れの3つだ。デイツの日本正規代理店は、4分芯(12mm)のモデルを「7カンデラ程度のほのかな明かり」、7分芯(21mm)のモデルを「15W電球同等の光量」と説明している。炎は、すすが出ない範囲で大きくする。フュアハンド(フュアーハンド)の国内正規輸入元・スター商事の日本語取扱説明書は、炎の高さを「1.5~ 2cmくらい」に調整するよう書いている。

そしてもう一つ、先に書いておくことがある。オイルランタンはテントの中では使わない。フュアハンドの日本語取扱説明書は「必ず屋外の広い場所で使用してください」とし、ドイツのメーカーの取扱説明書はあらゆる種類のテントでの使用を認めていない。デイツの日本正規代理店も「テント内、車内、換気の悪い場所では絶対に使用しないでください」と書いている。以前この記事には、テントの中でオイルランタンを灯した写真と「真似するのは自己責任で」という一文を載せていた。これは誤りだったので削除し、メーカーと輸入元・正規代理店の注意書きに沿って書き直した。

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ここに書いた事実関係は、スター商事のフュアハンド ベイビースペシャル276 ユーザーマニュアル(日本語)と公式オンラインショップ、ドイツ・フュアーハンド社の取扱説明書(ドイツ語・英語版。引用はSotopiaの訳)、デイツ日本正規代理店(DIETZ JAPAN)の公式サイト、NITE・消費者庁の公表資料に載っているものだ(2026年9月27日に閲覧)。

夕暮れの屋外キャンプサイト。木のテーブルの上に灯ったハリケーンランタンが1つ置かれている。テントは画面に入れない
イメージ画像です。
目次

テントの中では使わない|フュアハンドの取扱説明書も、デイツの正規代理店も禁止している

オイルランタンの使用場所について、メーカー・輸入元と公的機関は次のように書いている。

発表元書かれていること
スター商事(フュアハンド国内正規輸入元)ベイビースペシャル276 ユーザーマニュアル「必ず屋外の広い場所で使用してください。」「燃えやすい物の近くで使用しないでください。」「使用中はランタンのそばから離れないようにしてください。」
フュアーハンド社(ドイツ)Baby Special 276 取扱説明書「ランタンは屋外でのみ使用してください」。住宅、居住用の建物やその他の部屋、あらゆる種類の付属建物(小屋・物置など)、あらゆる種類のテント、レジャー施設・販売施設・飲食店の屋外部分での使用は認められない、としている。屋外でも、安全・警告・使用上の注意を守ったうえでの限られた使用にとどめるよう書いている。(英語版・ドイツ語版からSotopia訳)
DIETZ JAPAN(デイツ日本正規代理店)「Dietz商品 諸注意」「テント内、車内、換気の悪い場所では絶対に使用しないでください。」
NITE プレスリリース(2021年4月28日)「テントの中などの換気が不十分な場所でたき火をしたり、ガスカートリッジこんろやポータブルストーブ、ランタンなどを使用したりすると、一酸化炭素中毒に至るおそれがあります。必ず屋外の風通しのよい場所で使用してください。」
消費者庁(2023年4月27日)「テントの中などの換気が不十分な場所で、たき火やこんろ、ランタンなどを燃焼させると、一酸化炭素中毒に至るおそれがあります。必ず屋外の風通しのよい場所で使用してください。」

ドイツの取扱説明書は、このランタンの位置づけも書いている。ほかに明かりのない屋外で使う光源として設計したもので、道路や工事現場の安全確保、救助活動、軍隊などでの非常用照明として使うものだという。装飾用のオイルランプ(DIN EN 14059)ではない、ともしている(Sotopia訳)。

建物の室内については、書き方が分かれる。フュアハンドは日本語版で「必ず屋外の広い場所で」とし、ドイツの取扱説明書は住宅や部屋での使用も認めていない。DIETZ JAPANは「室内で使用する場合は、火災の発生や換気に特に注意してください」と書いている。テントと車内については、どちらも使わないという点で一致している。Sotopiaとしては、オイルランタンは屋外の開けた場所だけで使うことを勧める。屋外で使う道具だと強調しているのは、テントの入口や前室の近くなら安全、テント内でも短い時間なら安全、という意味ではない。

テントの中の明かりには、電池式のLEDランタンを勧める。LEDランタンの例はベアボーンズ フォレストランタンの記事で紹介している。

明るさは芯の太さで決まる|4分芯と7分芯

オイルランタンは芯に吸い上げた燃料を燃やして光る。芯が太いモデルほど炎が大きく、明るい。DIETZ JAPANとスター商事の商品ページ・取扱説明書には、次のように書かれている。

モデル(公式の表記)対応芯明るさの説明タンク容量燃焼時間重量
デイツ #D76(No.76)THE ORIGINAL12mm(4分芯)「7カンデラ程度のほのかな明かり」約240cc約11時間約440g
デイツ #D80(No.80)BLIZZARD21mm(7分芯)「15W電球同等の光量」約930cc約26時間約920g
フュアハンド ベイビースペシャル276記載なし5W(スター商事の商品ページの表記)340ml約20時間(カラーモデルの商品ページは「20時間以上」)約480g(取扱説明書)/カラーモデル530g(商品ページ)

芯の太いD80は、タンクも大きく、本体の高さは約38cm(D76は約24.5cm)ある。明るさを優先するなら芯の太いモデル、持ち運びやすさを優先するなら4分芯のモデル、という選び方になる。なお、DIETZ JAPANの公式ストアでは、2026年9月27日時点でD76の通常カラーはすべて在庫切れ(限定のブラス・グローブ付きセットのみ販売中)、D80は全色在庫切れの表示だった。

屋外の木のテーブルに並べた、大きさの違う2つのハリケーンランタンの芯まわりのアップ
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炎は「すすが出ない大きさ」に|フュアハンドは1.5〜2cm

同じランタンでも、炎の大きさで明るさは変わる。ただし大きくしすぎると、すすが出てホヤが黒くなり、かえって暗くなる。スター商事の日本語取扱説明書とDIETZ JAPANの書き方は次のとおりだ。

  • 点火するとき:フュアハンドは「火力調整ハンドルを回してウイックを1~2㎜程バーナーから出してウイックにマッチ等で着火してください」。ウイックを必要以上に出した状態で着火すると、ウイックの消耗を早めるだけでなく、製品の塗装が溶けて固着してしまうと注意している。
  • 炎の大きさ:フュアハンドは「炎の高さが1.5~ 2cmくらいになるように火力を調整してください」とし、「ウイックを出し過ぎるとススが出やすく、また少なすぎると明りがチラつく等の症状になります」と書いている。DIETZ JAPANは「ススが出ないように火力調整ツマミを回して芯の長さを調整してください」。
  • 芯を下げすぎない:フュアハンドは「ウイックは下げ過ぎないでください」、下げ過ぎるとバーナー内部のギアから外れてタンク内に落ちてしまう、としている。DIETZ JAPANも「芯を下げすぎると芯が外れ、タンクの中へ落ちてしまうことがあります」。
  • 消火を確かめる:フュアハンドは「消火後ウイックを再度上げて火が完全に消えていることを確認してください」。DIETZ JAPANも、つまみを回して炎を消したあと、完全に火が消えたことを確かめるよう書いている。

元の記事では、芯を「ススが出ないギリギリの長さ」まで出したときの照度を測った数字を載せていたが、測った場所と条件が確かめられないため削った。目安は、取扱説明書が書いている「すすが出ない」「ちらつかない」炎だ。

芯の手入れ|先が焦げたら、ハサミで平らに切る

芯(ウイック)の先が焦げて形が崩れると、炎の形も崩れる。フュアハンドの日本語取扱説明書は「燃焼の炎が偏ったり、ウイックの先端が黒く焦げたりしてきたらウイックの先端をハサミで平らにカットしてください」と書いている。

芯を交換するときの手順も、取扱説明書と注意書きに載っている。

  • フュアハンド:シリンダーハンドルをゆっくり押し下げてロックし、2か所のツメで固定されているバーナーセットを右に回して取り外す。ハンドルを回して古いウイックを取り外し、新しいウイックを取り付けたら、逆の手順で元に戻す。
  • DIETZ JAPAN:「火力調整つまみを持ち、ランタン本体に対して、給油口の方向(時計回り)に回すとバーナーを取り外すことができます。」

初めて使うときは、芯に燃料がしみ込むまで待つ。スター商事の日本語取扱説明書は「初めて使用する際は注油後約10分置いてウイック(芯)に燃料を浸み込ませてください」としている。ドイツの取扱説明書(英語版・ドイツ語版)は、初回と芯を交換したあとに約20分待つよう書いていて、待ち時間の表記が違う(Sotopia訳)。国内正規品は日本語取扱説明書に従えばよい。替え芯は、ランタンの芯の幅(4分芯=12mm、7分芯=21mmなど)に合ったものを選ぶ。

ホヤ(ガラス)のすすは、冷めてから落とす

ホヤにすすが付くと、そのぶん光が遮られる。フュアハンドの日本語取扱説明書は「ホヤガラスの内側にススがついてきたら以下の要領でホヤガラスを外して内側を掃除してください」として、次の手順を載せている。

  1. トップリングに指を入れ、ゆっくりと上に持ち上げる
  2. ホヤガラス/ガラスサポートを横に倒す
  3. ホヤガラスを慎重にサポートから取り外してから、内側を掃除する
  4. 掃除が終わったら、逆の手順で元に戻す

DIETZ JAPANは、キャリングハンドルを持った手でトップリングを持ってトップフードを引き上げ、反対の手でホヤガラスをゆっくり奥側へ倒す、という手順を載せている。

手入れは、火を消して本体が冷めてからにする。フュアハンドの日本語取扱説明書は「燃焼中及び消火直後は本体が高温になっていますので直接触れないでください」、DIETZ JAPANは「ランタンご使用中、トップフード、トップリングは特に熱くなります」と注意している。ホヤを何で拭くかは、どちらにも書かれていない。元の記事にあったアルコールで拭く方法は、メーカーの記載がないため削った。

燃料は「灯油なら何でも」ではない|ガソリン・アルコールは使わない

明るさの話から少し離れるが、燃料の選び方も決められている。

出典使う燃料使わない燃料
スター商事(フュアハンド日本語取扱説明書)「燃料は灯油または純良なパラフィンオイルをお使いください。」「ガソリン、ホワイトガソリン、アルコール、ベンジンは事故につながる恐れがありますので、絶対に使用しないでください。」
DIETZ JAPAN「パラフィンオイル、または白灯油(家庭用の暖房器具などに使用する灯油)」「ガソリン、ホワイトガソリン、アルコールなど揮発性や引火性の高い燃料は絶対に使用しないでください。」

燃料の入れすぎにも注意がいる。フュアハンドの日本語取扱説明書は「燃料の量は注油口の内側の縁から5㎜程度下の高さMAX(300㎖)を超えないようにしてください」とし、燃料を入れた状態で本体を傾けると注油口などから燃料が漏れると注意している。「燃焼中に燃料の注ぎ足しはしないでください」とも書いている。ドイツの取扱説明書は、持ち運ぶ前には燃料を完全に抜くよう書いている(Sotopia訳)。DIETZ JAPANも「満タンあるいは満タンに近い状態まで入れないでください。燃料があふれる可能性があります」とし、オイルがにじみ出ることがあるので「屋外や金属板の上など、万が一オイルが染み出しても問題ない場所」で使うよう求めている。

屋外での置き場所と、寝るとき

  • そばを離れない:フュアハンドの日本語取扱説明書は「使用中はランタンのそばから離れないようにしてください」。寝るときは、テントに入る前に消して、火が消えたことを確かめる。寝るときだけの話ではなく、起きている間でもテントの中には持ち込まない。
  • 燃えやすい物から離す:フュアハンドは「燃えやすい物の近くで使用しないでください」、DIETZ JAPANは「燃焼中は燃えやすい物や熱に弱いものを近くに置かないでください」。ドイツの取扱説明書は、ランタンを覆わないようにも書いている。
  • 屋外で吊るすとき:DIETZ JAPANは「丈夫で熱に強い所に垂直に吊り下げてください」。
  • 子ども:DIETZ JAPANは「お子様の手の届くところには絶対に置かないでください」、ドイツの取扱説明書も子どもや動物をランタンと燃料から遠ざけるよう書いている。

ドイツの取扱説明書は、火の取り扱いに関する規則を守ることも求めている。取扱説明書が使ってはいけない場所に「レジャー施設の屋外部分」を挙げていることもあり、キャンプ場など使う予定の施設で、ランタンを含む火気のルールを事前に確かめておきたい。

フュアハンド 276は国内正規品が税込5,390円から

元の記事で紹介した3機種のうち、今回残したのはフュアハンドの「ベイビースペシャル276」だ。国内正規輸入元スター商事の公式オンラインショップでは、次の2種類が販売されている(税込、2026年9月時点)。

商品名(公式の表記)価格(税込)主な仕様(商品ページ)
灯油ランタン ベイビースペシャル276 ジンク5,390円重量480g、タンク容量340ml、燃焼時間約20時間、明るさ5W
灯油ランタン ベイビースペシャル276 〈全7色〉7,920円重量530g、タンク容量340ml、燃焼時間20時間以上、明るさ5W。ルビーレッドなど5色は購入可、マットブラック・オリーブは「品切れ中」の表示

日本語の取扱説明書は、スター商事の製品マニュアルのページで読める。

デイツの#76(シルバー)と#80は、元の記事では2位・3位としていたが、DIETZ JAPANの公式ストアで在庫切れと表示されていたため、購入リンクは外した。

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この記事を書いた人

北海道の日本海を眺めながらアウトドアに関する情報を発信する「道産子アウトドア編集部」

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