雪中キャンプの魅力と楽しみ方、成功させるポイント|焚き火はテントから離し、テント内では火器を使わない

雪中キャンプの魅力と楽しみ方、成功させるポイント|焚き火はテントから離し、テント内では火器を使わない

雪中キャンプは、雪の積もったキャンプ場で過ごすキャンプだ。白い景色と冬の静けさ、雪でしかできない遊びがあり、ソロでも楽しめる。ただし、寒さへの備えと火の扱いは、ほかの季節より慎重にしたい。

いちばん大事なのは、テントの中では火器を使わないことだ。ストーブ・薪ストーブ・炭・焚き火・ガスこんろ・燃焼式のランタンは、テントの中にも、前室にも、タープの下にも置かない。寝るときだけの話ではない。起きている間でも、テントの中では火器を使わない。焚き火は屋外の焚き火台で、テントやタープから離して楽しむ。寒さは寝袋・マット・服装で防ぐ。

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この記事は以前、冬用テントの選び方の中で、テントの中でストーブを使う場合の確かめ方を書いていた。これは誤りだった。その記述は取り下げる。生地を理由に、テントの近くで火を使えるとした記述も取り下げる。ここに書いた注意や数字は、NITE(製品評価技術基盤機構)・消費者庁・JAF・警察庁の資料と、DOD・ユニフレーム・コールマン・ogawa・キャプテンスタッグの公式サイトや取扱説明書、製品の箱の表示に載っているものだ(2026年10月1日に閲覧)。

冬の昼、雪の残るキャンプ場に張られた、入口を閉じた緑のドーム型テント
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目次

雪中キャンプの魅力は、雪景色と静けさと雪の遊び

雪中キャンプの魅力は、まず景色だ。雪に覆われた林や、朝日を受けた雪原は、雪のある時期にしか見られない。

雪そのものも遊び道具になる。子ども連れなら、そり遊びや雪だるま作りができる。夜はサイトのまわりに雪でキャンドルの器を作り、明かりを楽しむ過ごし方もある。キャンドルも火なので、テントやタープから離れた場所に置き、寝る前に消す。

スノーシューを履いて、キャンプ場の外の雪山へ歩きに出るなら、それはキャンプではなく冬山の登山になる。警察庁の「令和7年冬山情報」は、全国の都道府県警察が把握している冬季の登山の注意をまとめたもので、登山届について「万一の場合の捜索救助の手掛かりとなります」として提出を呼びかけている。山ごとの欄には、雪崩や低体温症による遭難の事例も載っている。資料も、スノーシューで雪原を歩く人を「スノーシューイング登山者」と書いている。今の版は昨冬のものなので、今冬の版が出たらそちらで、出かける山の情報と各県警の案内を確かめたい。

テントの中では火器を使わない|起きている間も、前室も同じ

雪の中では、テントの中で暖まりたくなる。しかし、公的機関の注意喚起は、テントの中で燃焼器具やたき火を使わず、屋外の風通しのよい場所で使う、という方向でそろっている。

発表元・資料日付書かれていること(原文)
NITE プレスリリース「増加するキャンプ需要~初心者が守るべき注意点~」2021年4月28日「テントの中などの換気が不十分な場所でたき火をしたり、ガスカートリッジこんろやポータブルストーブ、ランタンなどを使用したりすると、一酸化炭素中毒に至るおそれがあります。必ず屋外の風通しのよい場所で使用してください。」
NITE 製品安全情報マガジン Vol.423「一酸化炭素中毒の事故」2023年2月28日号「テント内や車内などでは、石油ストーブなどの石油器具やガスこんろなどのガス器具は使用しないでください。一酸化炭素中毒や酸欠によって窒息し、死亡するおそれがあります。」
消費者庁「行楽シーズン到来!安全にレジャーを楽しみましょう」2023年4月27日「テントの中などの換気が不十分な場所で、たき火やこんろ、ランタンなどを燃焼させると、一酸化炭素中毒に至るおそれがあります。必ず屋外の風通しのよい場所で使用してください。」

どの注意喚起にも、「テントの作りによっては中で使ってよい」「換気をすれば使ってよい」という例外は書かれていない。煙突の穴がある、ベンチレーターが大きい、生地の素材が違う、といったテントの特徴で、テントの中の火器が安全になるわけではない。

NITEは同じプレスリリースの本文資料で、2ルームサイズのテントの中でたき火をした実験では「約9分で濃度が200ppmを超えました」と報告している。そのうえで、カートリッジガスこんろや燃料式ランタンなどを「特にテントの中やフライシートの下では絶対に使用しないでください。」としている。フライシートは「テントの上に重ねて張る、風雨の侵入を軽減するための布」で、前室はその下にある。前室も、火器を置く場所ではない。

テントの取扱説明書も同じだ。DODのワンポールテントRXの取扱説明書は、警告として「テント・タープの近くや内部で火気を使用しないでください。」と書き、「テント内部での使用は火災や一酸化炭素中毒などの原因となり大変危険です。」と理由を添えている。テントの中で火を使わずに寒さをどう防ぐかは、テント内のストーブの記事と冬キャンプの暖房の記事でも詳しく扱っている。

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雪の中の焚き火は、屋外の焚き火台で、テント・タープから離す

雪景色の中の焚き火は、雪中キャンプの楽しみのひとつだ。ただし、焚き火をする場所は、テントの入口の前でも、前室でも、タープの下でもない。テントとタープから離れた、屋外の開けた場所だ。

  • テント・タープの近くでも火事になりうる:上のDODの取扱説明書は、「テント・タープ近くであっても火気の使用により火災がおきる可能性があります。」としている。
  • テントの外でも、燃えた空気が中にたまることがある:NITEの本文資料は「テントの外で使用している場合でも風向きなどの条件次第ではテント内に燃焼した空気が滞留することがあります。」と書き、「特に、たき火では多くの一酸化炭素が排出される場合があるので、注意が必要です。」としている。
  • 焚き火台は屋外専用:ユニフレームの焚き火台「ファイアグリル」は、製品の箱の印刷面(公式サイトの製品ページの「取扱説明書」から開ける)に、「屋外専用」の表示と、「スクリーンテント・テント内使用」を「厳禁」とする表示がある。

屋外の焚き火でも、テントのそばで焚いてよいわけではない。そして、焚き火台が屋外専用だということは、ほかの火器ならテントの中で使える、という意味でもない。屋外で使うよう呼びかけられていることは、だからテントの中なら安全、という意味ではない。焚き火ができる場所や直火の可否は、キャンプ場ごとにルールがある。消費者庁は「テントの設営場所、火の取扱いや道具の使い方等を事前に確認しておきましょう」と呼びかけている。

煮込み料理も、屋外の焚き火やグリルで

冷えた体には、シチューやポトフ、鍋などの煮込み料理がうれしい。調理もテントの外で行う。以前の記事の、ストーブで調理するのを勧めた記述も取り下げる。

キャプテンスタッグの「ダッチオーブン 14cm」(UG-3060)は、公式サイトで「おき火・焚火で調理するダッチオーブン」と説明されている。メーカー希望小売価格は4,400円(税込・2026年10月時点)、容量は約0.7L、重量は約1.5kgで、本体とふたは鉄鋳物だ。同社の「カマド スマートグリル B6・B5型で使えます」とも書かれている。

ダッチオーブンのような鉄の鍋は、カセットこんろには載せない。NITEの本文資料は、カートリッジガスこんろに「スキレットなど放射熱の大きな製品」を使わないよう呼びかけている。カセットこんろやシングルバーナーで鍋を使う場合は、鍋の大きさにも気をつけたい。同じ資料は、「五徳(鍋などを支える爪)からはみ出す大きな鍋、鉄板などの放射熱の大きな調理器具は、カートリッジガスこんろでは使用しないでください」としている。こんろも、テントの中や前室ではなく、屋外で使う。

寒さは寝袋・マット・コット・服装で防ぐ

火を使わずに暖かく過ごす中心は、寝床だ。コールマンは公式オンラインショップの「キャンプ寝具の選び方」のページで、寝袋は「キャンプ予定地の最低気温よりも『-5℃低い対応温度』のモデルを選ぶと安心」とし、「断熱性の高いマットを併用することで、地面からの冷気を防ぎ」と書いている。標高については「標高が100m上がるごとに気温は約0.6~1℃下がる」としている。

道具メーカーの説明雪中キャンプでの考え方
寝袋最低気温より「-5℃低い対応温度」のモデル(コールマン)キャンプ場の標高と予報の最低気温から決める。冬用シュラフの選び方も参考に。
マット・コット「断熱性の高いインフレータブルマットの上に、保温性に優れた寝袋を重ねることで、地面からの冷気を遮断」、湿気対策に「グランドシートやコットを併用するのも効果的」(コールマン)雪の上では、下からの冷えを止めるのがいちばん大事。マットやコットを重ねる。
テントのスカート「テントと地面との間を塞ぎ、風や雨の吹込みを抑えてくれます」(ogawa)冬に使うテントを選ぶときは、スカートの有無を確かめる。

マットを重ねるときの順番や、テントの中の床の作り方は、冬キャンプのテント内レイアウトの記事にまとめた。服装は、気温に合わせて重ね着で調整できるように用意する。選び方は冬キャンプの服装の記事を参考にしてほしい。

テントの入口から見た中の様子。厚手のマットの上に寝袋が1つ広げられている
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電気毛布・湯たんぽは「寝る前に温める道具」|ホットカーペットはテントで勧めない

以前の記事は、子ども連れなら電源付きサイトでホットカーペットや電気毛布を使えば「快適かつ安全」に過ごせると書いていた。電気の器具は燃焼しないので一酸化炭素は出ないが、低温やけどや、コード・ヒーター線の傷みによる発煙・発火の危険がある。「安全」と言い切ったのは言いすぎだった。

  • 電気毛布:電源サイトのコンセントで、取扱説明書どおりに使う。NITEは「電気毛布は就寝前にあたためたあと、就寝時には適度な低い目盛りに下げるなどして調節しましょう。就寝中はスイッチを切って眠りましょう。」と呼びかけている。一晩中つけておく道具ではなく、寝る前に寝床を温める道具として使う。ポータブル電源で使ってよいかは、電気毛布とポータブル電源それぞれのメーカーに確かめてほしい。
  • 湯たんぽ:消費者庁は「長時間身体に接触させないようにしましょう」とし、布団を暖めるために使うときは「就寝前に布団から出しましょう」としている。寝袋に入れるときも、寝る前に取り出す。
  • ホットカーペット:NITEは、電気カーペットを含む電気マットについて、「ソファーやクッションなどやわらかい物の上で使用することによっても、ヒーター線が傷つき故障してしまいます。」と注意している。雪の上にマットを重ね、靴での出入りもあるテントの床は、これと合わない。起きている間も含めて、この記事ではテントの中でホットカーペットを使うことは勧めない(テント内レイアウトの記事も参照)。

雪ならではの危険|テントへの積雪と、車の排ガス

雪中キャンプでは、火のほかにも雪そのものの危険がある。

雪が積もる状況で使えないテントがある

DODのワンポールテントRXの取扱説明書は、「テント・タープに積雪するような状況では使用しないでください。」とし、理由を「雪の重さによりテント・タープがつぶれたり、ベンチレーターが機能しなくなる可能性があるため大変危険です。」と書いている。雪の上で使えるか、雪が降ったときにどうするかは、テントごとに違う。持っていくテントの取扱説明書で確かめ、雪が降り続く予報なら無理に泊まらない判断も要る。雪の上での張り方やペグの効かせ方も、テントの取扱説明書とキャンプ場の案内に従いたい。

車にとどまるなら、エンジンを切る|雪で埋まると排ガスが車内に入る

雪中キャンプは車で出かけることが多い。JAFは、雪で車が埋まった状態でエンジンをかけると、排ガスが車内に入り一酸化炭素中毒になる危険があるとしている。JAFのユーザーテスト(2015年2月)は、吹雪で止まったときやスキー場での仮眠を想定したものだ。ボンネットの上まで雪で覆った車でエンジンをかけると、何も対策をしない車の車内の一酸化炭素濃度は、16分後に400ppm、その6分後に測定上限の1,000ppmに達した。運転席の窓を5cmほど開けても防げなかった。開始5分で100ppm台に上がり、約40分後に400ppm、その後すぐに800ppm台になった。マフラー周辺を除雪した車ではほとんど検知されなかったが、JAFは「今回安全だった条件でも危険になる場合があります」としている。

JAFは「降雪時に車内にとどまる際には、できるだけエンジンを切るようにしましょう」とし、マフラーの周辺を定期的に除雪することも挙げている。車の中で眠るときは、エンジンを止める。車中泊の寒さ対策と一酸化炭素の注意は冬の車中泊の記事にまとめた。車の中で暖を取るために、ストーブやガスこんろを使うのも同じく危ない。上のNITE Vol.423のとおり、車内でも石油器具やガス器具は使わない。

雪の降る夜、駐車場に停めた車の後ろ側。マフラーのまわりの雪が除けてある
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出かける前に確かめること

  • キャンプ場のルール:冬の営業期間、焚き火ができる場所と直火の可否、電源サイトの有無と使える電気の量を確かめる。
  • 最低気温と標高:予報の最低気温と標高から、寝袋の対応温度を決める(コールマンの目安は最低気温より-5℃)。
  • テントの取扱説明書:積雪のある状況で使えるか、張り方の注意を確かめる。火器はテントの中・前室・タープの下で使わない。
  • 火器の取扱説明書:屋外のどこで使えるか、鍋の大きさなどの条件を確かめる。
  • 寝る前の段取り:焚き火とキャンドルは消す。電気毛布はスイッチを切り、湯たんぽは寝袋から出す。
  • 車:雪が降る中で車にとどまるなら、エンジンを切る。眠るときは必ず止める。マフラーのまわりの雪も確かめる。

雪中キャンプで暖かく過ごす本体は、寝袋とマットと服装だ。焚き火はテントから離れた屋外で楽しみ、テントの中では、起きている間も火器を使わない。慣れないうちは、デイキャンプや雪の少ない時期の冬キャンプから始めるとよい。

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この記事を書いた人

趣味であるアウトドア分野や医療系分野をメインに執筆活動を行う看護師ママライター。

定番のアウトドアブランドからガレージブランドまで、幅広いギアの情報を集めるのも大好き!

当メディアでは皆さんのお役に立つ情報をお伝えしていきます。

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