ヒーターアタッチメントとは?バーナーの取扱説明書は「調理以外に使用しない」|テントの中・タープの下では使わない

ヒーターアタッチメントとは?バーナーの取扱説明書は「調理以外に使用しない」|テントの中・タープの下では使わない

ヒーターアタッチメントは、シングルバーナーの五徳(ごとく)にかぶせて火で熱し、熱くなった金属から出る熱で暖を取る道具だ。ただ、ヒーターアタッチメントの販売元が推奨するバーナーのメーカーは、取扱説明書でバーナーを調理以外に使わないよう書いている。この記事は、ヒーターアタッチメントを暖房としてすすめない。

そして、テントの中や、タープの下では使わない。寝るときだけの話ではない。起きている間でも、テントの中では火をつけない。注意したいのは、一酸化炭素だけではない。バーナーの上で金属を熱し続けるので、その熱がガス缶(ガスカートリッジ)にも伝わる。NITE(製品評価技術基盤機構)は、放射熱でガスカートリッジが加熱され、破裂するおそれがあると呼びかけている。

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以前の記事の、一酸化炭素についての説明は誤りだった。取り下げる。以前は製品を6点紹介していたが、製品の紹介はすべてやめた。メーカーの取扱説明書が調理に限っている使い方を、すすめることになるためだ。ここに書いた内容は、2026年10月3日に各メーカーの公式サイトと取扱説明書、NITE・消費者庁の資料で確認したものだ。

冬の晴れた日中、雪が少し残る枯れ芝の広い草原と、奥の雪をかぶった山並み
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ヒーターアタッチメントとは|バーナーの火で金属を熱する道具。暖房としてはすすめない

形は、穴の開いた金属の筒のものが多い。シングルバーナーの五徳の上に載せて火で熱し、熱くなった金属から出る熱で暖を取る、という仕組みだ。販売しているメーカーは、商品説明で携帯用のヒーターや暖房器具として案内している。ただし、次の見出しで見るとおり、推奨されているバーナーの取扱説明書は、用途を調理に限っている。

今回確かめた公式ページには、何kWか、何畳までか、といった暖かさの数字は載っていなかった。以前の記事に載せていた距離ごとの温度の表は、測り方も出典も示せないため削除した。

メーカーの一つは、使用上の注意で「長時間使用する際、ガス缶の過熱による爆発が生じる可能性がございますので充分ご注意ください。」と書いている。暖を取るために金属を熱し続ければ、その下にあるガス缶も熱にさらされる。この点は、あとの見出しでNITEの資料の原文で確かめる。

メーカーの取扱説明書は、バーナーの用途を「調理」に限っている

ヒーターアタッチメントの販売ページが、推奨機種として挙げているバーナーがある。そのうち、取扱説明書を確かめた2機種は、どちらもバーナーを調理のための器具としている。

バーナー(燃料)取扱説明書の記載(原文)
イワタニ ジュニアコンパクトバーナー CB-JCB(カセットガス)「調理以外に使用しない」「衣類の乾燥やストーブの代わりに使用しない」
SOTO レギュレーターストーブ ST-310(カセットガス)「調理以外の用途には使用しないでください。過熱、異常燃焼などによる焼損や火災などの危険があります。」

イワタニは、「ストーブの代わりに使用しない」とまで書いている。暖を取るためにバーナーの上で金属を熱し続ける使い方は、この2機種の取扱説明書がいう「調理以外」の使い方にあたる。

CB-JCBとST-310は、以前の記事で、あるヒーターアタッチメントの推奨バーナーとして名前を挙げていた機種だ。今回確かめたその販売元の公式ページにも、この2機種が推奨機種として載っている。販売ページが推奨をうたっていても、バーナーのメーカーは、上のとおり用途を調理に限っている。

コールマンの場合は、売る会社と作る会社が同じだ。ヒーターアタッチメントも、ガソリンストーブのフェザーストーブ442も、コールマンの製品である。コールマンは2021年2月12日付のお知らせで、自社のヒーターアタッチメントについて「本製品は弊社ガソリンシングルストーブのみに対応しており」と書いている。その一方で、442の取扱説明書は「この器具は屋外専用調理器具です。その他の目的に使用したり改造したりしないでください。」と書いている。442にヒーターアタッチメントを載せてどう使ってよいかは、コールマン カスタマーサービス(フリーコール 0120-111-957、月曜日~金曜日の10:00~17:30、祝・祭日を除く)に確かめてほしい。どんな答えでも、テントの中・タープの下では使わない。442の取扱説明書も、テントの中での使用を禁じている。

バーナーには、上に載せる物についての注意もある。SOTOの取扱説明書は「鉄板、焼き網、セラミック製品、スモーカー等の補助具は指定のもの以外は使用しないでください。事故の原因になります。」とし、イワタニの取扱説明書は「輻射熱の強い調理器具等は絶対に使用しない」としている。

この記事が製品を紹介しないのは、このためだ。暖房の道具として紹介すれば、用途を調理に限っているバーナーで、調理以外の使い方をすすめることになる。冬キャンプで暖を取る方法は、最後の見出しでまとめる。

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一酸化炭素に注意|テントの中・タープの下では使わない、起きている間も同じ

公的機関の注意喚起は、テントの中で燃焼器具を使わず、屋外の風通しのよい場所で使う、という方向でそろっている。

発表元・資料日付書かれていること(原文)
NITE プレスリリース「増加するキャンプ需要~初心者が守るべき注意点~」2021年4月28日「テントの中などの換気が不十分な場所でたき火をしたり、ガスカートリッジこんろやポータブルストーブ、ランタンなどを使用したりすると、一酸化炭素中毒に至るおそれがあります。必ず屋外の風通しのよい場所で使用してください。」
NITE 製品安全情報マガジン Vol.423「一酸化炭素中毒の事故」2023年2月28日号「テント内や車内などでは、石油ストーブなどの石油器具やガスこんろなどのガス器具は使用しないでください。一酸化炭素中毒や酸欠によって窒息し、死亡するおそれがあります。」
消費者庁「行楽シーズン到来!安全にレジャーを楽しみましょう」2023年4月27日「テントの中などの換気が不十分な場所で、たき火やこんろ、ランタンなどを燃焼させると、一酸化炭素中毒に至るおそれがあります。必ず屋外の風通しのよい場所で使用してください。」

ここまでに挙げた3機種のバーナーの取扱説明書も、テントの中での使用を禁じている。イワタニのCB-JCBは「本商品は屋外専用です。テント内や車内など狭い場所では絶対に使用しないでください。」、SOTOのST-310は「屋外専用ですので家の中、テントの中、車の中では絶対に使用しないでください。」、コールマンの442は「屋内、車内、テントの中もしくは換気の悪い場所では使用しないでください。」と書いている。

NITEのプレスリリースの本文資料は、燃焼器具を「特にテントの中やフライシートの下では絶対に使用しないでください」と書いている。フライシートは、テントの上に重ねて張る布のことだ。実験では、ソロキャンプ用テントのフライシートを閉めた状態でホワイトガソリン式のポータブルストーブを使ったところ、「約 15 分で濃度が 200ppm を超えました」。

スクリーンタープも、四方を幕で囲う点ではテントと変わらない。幕の中で燃焼器具を使えば、一酸化炭素がたまる危険がある。同じ本文資料は「テントの外で使用している場合でも風向きなどの条件次第ではテント内に燃焼した空気が滞留することがあります」とも書いている。

どの資料にも、「小さな火だから」「起きている間なら」「入口を開けておけば」テントの中で使ってよい、という例外は書かれていない。「屋外の風通しのよい場所で」という呼びかけは、テントの入口を開ければテントの中でもよい、という意味ではない。テントの中のストーブについての詳しい話は、テント内のストーブについての記事にまとめている。

火災に注意|ガス缶の過熱で破裂のおそれがある

ヒーターアタッチメントのもう一つの危険は、ガス缶の過熱だ。NITEの本文資料は、カートリッジガスこんろについて次のように書いている。

「カートリッジガスこんろに対して、スキレットなど放射熱の大きな製品や、こんろ全体を覆う大きさの鍋などは使用しないでください。鉄部からの放射熱(鉄部から発生した熱)によってガスカートリッジが加熱され、バルブ内のプラスチックパーツが溶けることによるガス漏れによる引火や内圧上昇によりガスカートリッジが破裂するおそれがあります。」

同じ資料は、ガスカートリッジが加熱される状況として「炭の火おこしなど調理以外の用途でカートリッジガスこんろを使用する」「セラミック付き焼き網など蓄熱性の高いものをカートリッジガスこんろに乗せて使用する」「カートリッジガスこんろの周囲を囲うなど、熱のこもりやすい状況で使用する」を挙げている。

コールマンも、上で触れた2021年2月12日付のお知らせで、自社のヒーターアタッチメントについて次のように知らせている。

「LPガス器具にご使用された場合、輻射熱による器具の破損、LPガスカートリッジの破裂による怪我・死亡事故に至る危険性がありますので、弊社ガソリンシングルストーブ以外の器具でご使用されないようお願いいたします。」「また他社メーカー様の器具にもご使用になれませんのでご注意ください。」

以前の記事が勧めていた、ガス缶の過熱への対策の記述も取り下げる。NITEは、こんろの周りを囲う使い方を、ガス缶が過熱する原因に挙げている。SOTOの取扱説明書も「風よけのためでも石やブロックおよび板等で全面を囲んでの使用は容器(ボンベ)が過熱し、非常に危険ですのでおやめください。」と書いている。

予備のガス缶の置き場所にも気をつけたい。NITEは「炎天下の砂浜や河原、自動車の車内など、高温になりやすい場所にガスカートリッジを放置しないでください。」と呼びかけている。調理でバーナーを使うときも、火のそばに予備の缶を置かない。

秋の山あいの開けた芝生に置かれた低いアルミのテーブルとステンレスのマグカップ、折りたたみチェア
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冬キャンプの暖は、寝袋・マット・服装で取る|電気毛布は寝る前に寝床を温める道具

ヒーターアタッチメントは、テントの中を暖める道具ではない。「寝るときは消す」だけでは足りない。起きている間でも、テントの中・タープの下では火器を使わない。上の公的機関の呼びかけにも、バーナーの取扱説明書にも、時間帯の条件はついていない。

冬の夜の寒さは、火を使わずに防ぐ。寝袋・マット・コットなど、寝るときに必要なものは冬キャンプの寒さ対策の記事に、火器を置かずに寝床と床の断熱から決めるテントの中の配置は冬キャンプのテント内レイアウトの記事にまとめている。寝袋の選び方は冬用シュラフの選び方の記事に、冬キャンプの暖房の考え方は冬キャンプの暖房の記事に書いた。

寒さ対策の記事では、暖かさの本体を寝袋・マット・コットと服装とし、湯たんぽと電気毛布は寝る前に寝床を温める補助の道具として扱っている。

電気を使いたい場面が多いなら、ポータブル電源があると便利です。Jackery(ジャクリ)のポータブル電源も、容量で選べる製品のひとつです。

電気毛布は電源サイトのコンセントで、寝る前に寝床を温める道具として使う。NITEは就寝中はスイッチを切るよう呼びかけている。ポータブル電源で使ってよいかは、両方のメーカーに確かめる。ポータブル電源があるからテントの中が安全になる、という意味ではない。

電気ストーブやホットカーペットも、起きている間も含めて、テントの中で使う暖房としては勧めない。理由は寒さ対策の記事に書いた。

霜の降りた冬の朝、ロータイプのコットの上の厚手の寝袋にブランケットを置く手元
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雪の季節のキャンプで火を扱うときの注意は、雪中キャンプの記事にもまとめている。

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まとめ|ヒーターアタッチメントについて押さえておく3つのこと

  1. バーナーの取扱説明書は、用途を調理に限っている:イワタニのCB-JCBとSOTOのST-310は、どちらも調理以外の用途を禁じている。イワタニは「ストーブの代わりに使用しない」とまで書いている。コールマンの442に載せる使い方は、コールマンに確かめる。
  2. テントの中・タープの下・車の中では使わない:小さな火でも、起きている間でも同じ。消費者庁は「テントの設営場所、火の取扱いや道具の使い方等を事前に確認しておきましょう」と呼びかけている。
  3. ガス缶が過熱すると、破裂のおそれがある:NITEは放射熱でガスカートリッジが破裂するおそれを挙げ、こんろの周りを囲う使い方も過熱の原因としている。

冬キャンプの寒さは、寝袋・マット・服装で防ぎ、電気毛布は寝る前に寝床を温めるのに使う。火を使わない方法で、テントの中を寒さに備えたい。

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この記事を書いた人

北海道の日本海を眺めながらアウトドアに関する情報を発信する「道産子アウトドア編集部」

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