冬キャンプのストーブはテント内で使わない|NITEの注意と、屋外用の薪ストーブ ノマドビューSは38,280円

冬キャンプのストーブはテント内で使わない|NITEの注意と、屋外用の薪ストーブ ノマドビューSは38,280円

冬キャンプでストーブを使うなら、まず決めておくことがある。テントの中では使わないということだ。製品事故を調べている独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、「テント内や車内などでは、石油ストーブなどの石油器具やガスこんろなどのガス器具は使用しないでください」と呼びかけている。理由は「一酸化炭素中毒や酸欠によって窒息し、死亡するおそれ」があるからだ。

この記事は、以前「冬キャンプにおすすめのストーブ10選」として、テント内で使う場合の注意点を「自己責任」として書いていたものを、公的機関とメーカーの注意書きに沿って書き直したものだ。Sotopiaは、テントの中でストーブなどの火器を使うことを勧めない。元の記事で紹介した10製品は、メーカー公式で今も販売中と確認でき、かつ販売元の注意書きが屋外での使用を前提にしているものだけを残した。残ったのは薪ストーブ1台、ウィンナーウェルのノマドビュー Sサイズ(38,280円・税込、2026年9月時点)だ。

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ここに書いた事実関係は、NITE・消費者庁の公表資料と、各メーカー・販売元の公式サイト、取扱説明書に載っているものだ(2026年9月27日に閲覧)。

冬の昼のキャンプ場。雪の残る地面に張られた、入口を閉じたテントの外観
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目次

テントの中では、燃料の種類を問わず使わない

公的機関の注意喚起は、燃料の種類で分けていない。石油もガスも、たき火やランタンも、テントの中では燃やさないという書き方だ。

発表元・資料日付書かれていること(原文)
NITE 製品安全情報マガジン Vol.423「一酸化炭素中毒の事故」2023年2月28日号「テント内や車内などでは、石油ストーブなどの石油器具やガスこんろなどのガス器具は使用しないでください。一酸化炭素中毒や酸欠によって窒息し、死亡するおそれがあります。」
NITE プレスリリース「増加するキャンプ需要~初心者が守るべき注意点~」2021年4月28日「テントの中などの換気が不十分な場所でたき火をしたり、ガスカートリッジこんろやポータブルストーブ、ランタンなどを使用したりすると、一酸化炭素中毒に至るおそれがあります。必ず屋外の風通しのよい場所で使用してください。」
消費者庁「行楽シーズン到来!安全にレジャーを楽しみましょう」2023年4月27日「テントの中などの換気が不十分な場所で、たき火やこんろ、ランタンなどを燃焼させると、一酸化炭素中毒に至るおそれがあります。必ず屋外の風通しのよい場所で使用してください。」

消費者庁の資料には、キャンプでの実際の事故例も載っている。

「キャンプ中に、4畳のテント内でバーベキュー後の炭をたいて就寝した。夜中に気分が悪くなり、頭痛、ふらつき、嘔吐した。一酸化炭素中毒で、救急搬送された。」(医療機関ネットワーク事業、事故発生:平成31年4月、40歳代、要入院)

元の記事には「利用の際は定期的な換気を行い、念の為一酸化炭素警報機を用意するようにしましょう」など、テント内で使う前提の手順を書いていた。これはすべて削った。NITE・消費者庁の注意書きには、換気をすれば、あるいは警報器を置けばテント内で使ってよい、という例外は書かれていない。

「自己責任で使えば大丈夫」ではない|メーカーは使う場所を決めている

ストーブの取扱説明書や注意書きには、使ってよい場所・いけない場所が書かれている。キャンプ用品として売られていても、テントの中どころか屋外やタープの下まで禁止している製品がある。元の記事で紹介していた燃料ごとに、メーカーの書き方を確かめた。

燃料メーカーの記載(原文)出典
石油(家庭用の開放式ストーブ)「風のあたる場所や屋外では使用しないでください。炎が出て危険です。」トヨトミ RL-F250 取扱説明書
石油(テント内で使う場合の注意書)「タープ内では絶対に使用しないでください。」(トヨトミ)/「野外やテント外、タープの下など雨や風の影響を受ける場所などでは使用しないでください。」(コロナ、OUTFIELDストーブ)トヨトミ「テント内でご使用の場合の取扱注意書」/コロナ「テント内でOUTFIELDストーブを使用する場合の取扱説明書(注意書)」
薪(ウィンナーウェル。日本の販売元の「使用上の注意」)「WINNERWELL®製品は屋外使用を前提とした屋外用アウトドア製品です。」「必ず、屋外でご使用いただき、万が一に備えて消火器のご準備をお願いします。」WINNERWELL Nomad Japan「使用上の注意と保証ポリシー」

トヨトミとコロナのテント用の注意書は、条件を満たすテントに限ってテント内での使用を想定した文書で、「お客様が責任を持って安全にご使用ください」(トヨトミ)と、使う側の責任を明記している。これは「メーカーが安全を保証している」という意味ではない。NITE・消費者庁は、そうした条件を設けずに、テント内では使わないよう呼びかけている。石油ストーブとテントについてNITE・消費者庁・メーカーの書き方を並べた記事は、テント内でストーブは使えるかをまとめた記事にある。

カセットガスのストーブは、元の記事で紹介した2機種がどちらも今は買えない。イワタニの「マイ暖」(CB-STV-MYD)は公式サイトで「生産終了商品」、ロゴスの「パノラマガスストーブ」(81060095)は公式サイトで「現在、お取り扱いをしておりません」となっている。

冬の昼、雪のない開けたキャンプサイトの屋外。地面に耐熱マットを敷き、その上に置かれた煙突付きの小型ステンレス薪ストーブ
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屋外で使う薪ストーブ|ウィンナーウェル ノマドビュー Sサイズ

元の記事の10製品のうち、今回残したのはウィンナーウェルの薪ストーブ「ノマドビュー Sサイズ」だけだ。日本の販売元WINNERWELL Nomad Japan(運営会社:株式会社e-TRADE SERVICE)の公式オンラインストアで販売中で、販売元の「使用上の注意」は上のとおり屋外での使用を前提としている。

項目公式の表記
商品名ウィンナーウェル ノマドビュー Sサイズ(53mm) 薪ストーブ 本体セット(SKU:910221)
価格38,280円(税込、2026年9月時点)
素材ステンレス304
燃焼室サイズ320(L) x 164(W) x 150(H) mm
組み立てサイズ377 (L) x 459 (W) x 1825 (H) mm(ストーブ+煙突)
パイプの直径53mm
重さ約6.4kg
付属品本体x1、ダンパー付き煙突x1、煙突x4、スパークアレスターx1、火格子x1、炭落とし用スクレーパーx1、日本語説明書

商品ページによると、片側の側面が耐熱ガラスの窓になっていて炎が見える。天板の丸フタを外すと直火で調理ができ、付属の煙突などはストーブの内部に収納して持ち運べる。

元の記事では「テント内でも暖炉や焚き火のように」炎を眺められると書いていたが、この一文は削った。販売元の保証ポリシーは、保証の対象外として「屋内や密室、換気の悪い場所や可燃物が近くにある環境で使用したことによる破損や事故等」を挙げている。

ただし、この販売元のサイトの書き方はそろっていない。よくあるご質問にはテントで使う場合を前提にした回答があり、トップページではテント内での使用を想定した設計の説明もある。外気吸入型の別モデル(マーズファイア)の商品ページには「※テント内でのご使用は自己責任でお願い致します。」と書かれ、煙突穴の付いたテントも売られている。Amazonで売られているこの商品の商品名にも「テント用」とある。販売元自身の「使用上の注意」やNITE・消費者庁の注意と食い違う表記のため、この記事には購入リンクを置かない。テントの中で使う場合の責任を、買う側に置いた書き方だ。NITE・消費者庁は、テント内では燃焼器具を使わないよう呼びかけている。Sotopiaはこのストーブを、屋外の開けた場所で使う前提でだけ紹介し、テントの中での使い方は扱わない。屋外で使う道具だと強調しているのは、テントの入口や前室の近くなら安全、テント内でも短い時間なら安全、という意味ではない。

薪ストーブを使うときに販売元が書いていること

屋外で使う場合でも、販売元の商品ページと「使用上の注意」には守ることが書かれている。

  • 消火器を用意する:「万が一に備えて消火器のご準備をお願いします。」
  • 慣らし焚き:「最初から全開で焚かず、慣らし焚きを行ってください。」
  • ガラスを急に冷やさない:「燃焼中、ガラスに水をかけたり濡れたタオルで拭いたりしないでください。」
  • 変形・変色は起きる:「材質上、熱膨張により必ず歪みます。」「ステンレスの材質上、熱で変色します。」
  • 使い終わったら:「使用後は、灰を完全に取り除き、製品を冷却(自然冷却)してから、乾いた布で汚れや煤を拭き取ってください。」(よくあるご質問)

薪ストーブを使えるかどうかは、キャンプ場のルールにもよる。消費者庁は「安全管理・整備されているキャンプ場や施設を選び、テントの設営場所、火の取扱いや道具の使い方等を事前に確認しておきましょう」と呼びかけている。煙突付きの薪ストーブを持ち込めるか、どこに置けるかは、予約の前にキャンプ場へ確かめてほしい。

ヒーターアタッチメントは「どのバーナーにも付く」ではない

元の記事では、コールマンの「遠赤ヒーターアタッチメント」(170-7065)を「サイズさえ合えばほとんどのシングルバーナーで利用することができます」と紹介していた。これは誤りだった。

コールマンは公式オンラインショップで、この製品の対応モデルを「508、442」とし、「LPガス燃料を使用する製品には絶対に使用しないでください」と書いている。2021年2月12日のお知らせ「遠赤ヒーターアタッチメントのご使用について」でも、本製品はコールマンのガソリンシングルストーブのみに対応しているとして、LPガスカートリッジを使う器具に使うと、輻射熱による器具の破損や、LPガスカートリッジの破裂による怪我・死亡事故に至る危険があると注意している。他社の器具にも使えない。今回の書き直しでは、この製品の紹介と購入リンクは外した。バーナーに付けて使う燃焼器具なので、NITE・消費者庁の注意どおり、テントの中では使わない。

起きている間も寝るときも、テントの中では使わない|夜の寒さは寝袋と服装で

NITEは、石油ストーブの事故について「就寝時には使用せず、寝る前に確実に消火してください」と書いている。Vol.423には、燃焼空気取入口にほこりがたまった石油ストーブを「密閉された室内で使用したまま就寝し」、一酸化炭素が大量に発生した異常に気づかず1名が死亡した事故が載っている。これは室内の事故だが、NITEはこの事故の注意事項の中で、テント内や車内では使用しないよう書き添えている。「寝るときに消せば、起きている間はテントの中で使ってよい」ということではない。起きている間でも、テント内・車内ではストーブを使わない。

元の記事は「雪が降り積もるフィールドでぬくぬくとテントにおこもりキャンプ」と締めていたが、Sotopiaとしては、ストーブは屋外で起きている間だけ使い、冬の夜の寒さは寝袋と服装で備えることを勧める。冬用の寝袋の選び方は、冬用シュラフの選び方の記事にまとめている。

冬の朝のキャンプサイト。テントの前に畳んだ厚手の寝袋とブランケット、ダウンジャケットが置かれている
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ストーブを買う前・持っていく前に確かめること

  1. その機種の取扱説明書:使ってよい場所(屋外か屋内か)、使ってはいけない場所(屋外・風のあたる場所・タープの下など)が書かれている。キャンプ用品として売られていても、屋外での使用を禁じている製品がある。
  2. 販売状況:元の記事の10製品のうち4製品は、生産終了・取り扱い終了・売り切れになっていた。購入前に公式サイトで現行品かどうかを確かめたい。
  3. キャンプ場のルール:薪ストーブや煙突の持ち込み、置いてよい場所を事前に確かめる。
  4. 消火の用意:販売元が求めている消火器など、万一の備えをしてから火を入れる。

わからないことは、推測で済ませずにメーカー・販売元の窓口に問い合わせるのが確実だ。

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この記事を書いた人

多数のジャンル案件を手掛けるWebライター。

趣味のソロキャンプを活かしたアウトドア案件は特に得意とし、取材を兼ねた愛車のジムニーJA-11改でキャンプ場ワーケーションに出かけることも多い。

元飲食店主の経歴もあるためキャンプ飯にはこだわりたいタイプ。

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