シングルバーナーの事故は分離型でも防げない|SOTO・プリムスの説明書が禁じる極端にはみでる鍋・鉄板とテント内の使用

シングルバーナーの事故は分離型でも防げない|SOTO・プリムスの説明書が禁じる極端にはみでる鍋・鉄板とテント内の使用

分離型のシングルバーナーでも、ボンベ(ガス缶)の過熱による事故は防げない。SOTO(新富士バーナー)の分離型、レギュレーターストーブ FUSION ST-330 とマイクロレギュレーターストーブ FUSION Trek SOD-331 の取扱説明書は、どちらも「こんろから極端にはみでるような大きな鍋や大きな鉄板など」の使用を「厳禁」とし、「容器(ボンベ)が過熱し爆発の原因となります」と書いている。

イワタニ・プリムスは、一体型か分離型かを分けずに「シングルバーナーにセラミック製品、鉄板や焼き網等を使用しないで下さい。」としている。そして、どのメーカーもバーナーを屋外専用としている。テントの中では、寝るときだけでなく起きている間でも使わない。

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以前の記事の、分離型の安全性についての説明は誤りだった。取り下げる。事故を避ける方法として分離型をすすめた記述と、テーブルの焦げ対策についての記述も取り下げる。分離型バーナー10製品の紹介もやめた。ここに書いた注意は、2026年10月3日にSOTO・イワタニ・プリムスの公式サイトと取扱説明書、NITE(製品評価技術基盤機構)・消費者庁・日本ガス石油機器工業会(JGKA)の資料で確かめたものだ。

晴れた秋の日中、山あいの開けた芝生に置いた低いアルミのテーブルとステンレスのマグ、折りたたみチェア
イメージ画像です。
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メーカーが「厳禁」とするのは、ボンベが過熱する使い方

シングルバーナーの事故で、メーカーが取扱説明書の最初の警告に置いているのはボンベの過熱だ。ガスの入ったボンベは、熱せられると中の圧力が上がり、破裂するおそれがある。プリムスは「カートリッジは加熱されると内部圧力が急激に上昇し爆発します。」と説明している。

過熱の原因として各社が挙げるのは、ほぼ同じだ。こんろから極端にはみでる大きな鍋や鉄板を載せる、2台以上並べる、炭の火起こしに使う、風防や石で囲う、夏の砂浜など熱くなる場所で使う。消費者庁も2022年8月26日の注意喚起で「カセットこんろを2台以上並べたり、大きな調理器具をのせて使用しないでください。熱がこもりカセットボンベが過熱されて破裂するおそれがあります。」としている。

NITEによると、2014〜2023年度の10年間に通知されたカセットこんろの事故は91件で、調査が完了した86件のうち誤使用・不注意が推定されるものが約4割だった。

転倒も軽く見られない。SOTOのSOD-331の説明書は「設置面が安定していて、平らで安全な場所に置いて使用してください。」としている。

分離型でも、こんろから極端にはみでる鍋・鉄板は説明書で「厳禁」

分離型は、バーナーとボンベをホースでつなぎ、離して置く形だ。ボンベがバーナーの真下にない。それでも、分離型の説明書から過熱の警告は消えていない。SOTOの分離型2機種の説明書の警告を並べる(原文のまま)。

項目FUSION ST-330(CB缶)FUSION Trek SOD-331(OD缶)
大きな鍋・鉄板こんろから極端にはみでるような大きな鍋や大きな鉄板などの使用(厳禁。容器(ボンベ)が過熱し爆発の原因となります)
そのほかの厳禁炭の火起こしなど炭をのせての使用/こんろを2台以上並べての使用/夏の砂浜など直射日光によって容器(ボンベ)が過熱するような場所での使用
ボンベとの距離使用時は容器(ボンベ)の過熱を防ぐためバーナーと容器(ボンベ)を必ず15cm以上離して使用してください。
鍋の種類ダッチオーブンの空焚きでの使用、また溶岩石プレートの使用はしないでください。
補助具補助具は、この器具用の付属品以外は使用しないでください。事故の原因になります。

説明書のイラストも、ホースでボンベにつないだ分離型のバーナーに、はみ出すほどの大鍋を載せた絵に禁止マークを付けている。分離型だから極端にはみでる鍋や鉄板を載せてよい、という書き方ではない。

誤解されやすい点が一つある。SOD-331の製品ページには「数人用の大鍋にも対応します」とあり、ゴトクの外径は160mm、耐荷重は5kgと書かれている。一方で、同じ製品の説明書は「極端にはみでるような」大きな鍋を厳禁としている。どこからが「極端」かの数字は、説明書にない。手持ちの鍋が使えるか迷うときは、新富士バーナーに問い合わせて確かめたい。

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プリムスは一体型・分離型を分けずに鉄板・焼き網を禁止

イワタニ・プリムスの注意喚起ページ「ガス燃焼器具の安全な使い方」は、次のように書いている。

シングルバーナーにセラミック製品、鉄板や焼き網等を使用しないで下さい。また、スモーカー(薫製器)にも絶対に使用しないでください。

理由は「セラミック製品、鉄板、焼き網等の調理器具やスモーカーは輻射熱を大量に発生し、熱が滞留しやすくなっています。」と説明されている。プリムスの「安全にご使用いただくために」のページも「バーナーをセラミック製品、鉄板、焼き網やスモーカー (燻製器) で使用しないでください。」としている。どちらのページも、鉄板の大きさや、ボンベをホースで離すかどうかで扱いを分けていない。

一体型の説明書も同じ向きだ。SOTO ST-310は「セラミック付焼網、大きい鉄板等、輻射熱の大きい調理器具は絶対に使用しないでください。」、イワタニ CB-JCBは「容器(ボンベ)全体を覆ってしまう大きな調理器具(鍋、鉄板、ジンギスカン鍋、たこやき鉄板、魚焼き器等)は使用しない」としている。

分離型は、木製・樹脂製のテーブルで使わない

分離型のバーナーは低い位置で燃えるので、置き場所にも説明書の決まりがある。ST-330とSOD-331の説明書は「燃焼時の輻射熱により影響を受ける場合がありますので、木製や樹脂製等のテーブルでは使用しないでください。」としている。シートを敷けばよい、という書き方ではない。

置き場所の距離も、説明書に数字がある。SOTOのSOD-331の説明書は「燃えやすいものからは30cm以上離して使用してください。」、プリムスは「燃えやすい物から上部は1m以上、周囲は30cm以上離して使用して下さい。」としている。SOTOは「ヒーターやたき火の近くなど熱気があたる場所」での使用も、ボンベが過熱するとして禁じている。

風よけに囲わない。風が強い日は使わない

風で火が消えるからといって、バーナーを風防や石で囲うのも危険だ。SOTOの分離型の説明書も「石やブロックおよび板等で全面を囲んでの使用はボンベが過熱し、非常に危険ですのでおやめください。」としている。「全面を」とあっても、すき間をあければ囲ってよい、という意味ではない。プリムスは囲うこと自体を禁じている。SOTOは「強い風が吹くときは使用しないでください。」とも書いている。

紅葉したカラマツ林を流れる浅い清流と、小石の川原、奥に岩の多い山並み
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テントの中・前室・タープの下では使わない(起きている間でも)

風よけや寒さよけのために、テントの中や前室、タープの下へバーナーを入れる使い方もしない。寝るときだけの話ではない。起きている間でも、テントの中では使わない。NITEは一酸化炭素中毒について、次のように注意している。

特にテントの中やフライシートの下では絶対に使用しないでください。

メーカーの書き方もそろっている。

  • SOTO(ST-330・SOD-331・ST-310):「屋外専用ですので家の中、テントの中、車の中では絶対に使用しないでください。一酸化炭素中毒死や酸欠による窒息死のおそれがあります。」
  • プリムス:「プリムスの器具は屋外使用専用です。屋内、テント内、車内では絶対に使用しないで下さい。」
  • イワタニ CB-JCB:「本商品は屋外専用です。テント内や車内など狭い場所では絶対に使用しないでください。」
  • JGKA:「テント内ではランタン、こんろ等のガス器具を絶対に使用しない」

入口を開けていれば中でもよい、という意味でもない。プリムスは「テントの前室やキャンプサイトのテーブルクロスの上等は、代表的な引火リスク環境です。」としている。SOTOの説明書も「屋外でも換気の不十分な状態で使用しないでください。」と書く。屋外で使うときも、ここまでの「極端にはみでる鍋や鉄板を載せない」「並べない」「囲わない」は変わらない。屋外ならどんな使い方でも安全、ということではない。

テントの中で火器を使うことについての公的機関の注意は、「テント内でストーブは使える?NITEは「使用しないで」」でも原文で並べている。

使う前に、手元の説明書の「過熱」の項目を開く

分離型か一体型かで安全が決まるわけではない。決まるのは、そのバーナーの説明書に書かれた使い方を守るかどうかだ。使う前に、次の3つを確かめておきたい。

  • 説明書の「容器(ボンベ)の過熱」の警告に、手持ちの鍋・鉄板・焼き網が当てはまらないか
  • 置く場所が、平らで安定し、燃えやすいものや木製・樹脂製のテーブルから離れた屋外の開けた場所か
  • テント・前室・タープの下で使う予定になっていないか(あれば、その計画をやめる)

説明書をなくしたときは、SOTO・イワタニ・プリムスとも公式サイトで説明書や注意を確認できる(下の情報源)。迷うときは、メーカーの窓口に問い合わせる。

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この記事を書いた人

多数のジャンル案件を手掛けるWebライター。

趣味のソロキャンプを活かしたアウトドア案件は特に得意とし、取材を兼ねた愛車のジムニーJA-11改でキャンプ場ワーケーションに出かけることも多い。

元飲食店主の経歴もあるためキャンプ飯にはこだわりたいタイプ。

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