アルパカストーブはキャンプで使える?取扱説明書は「屋外」も禁止|テントの中・入口では使わない、本体は販売終了

アルパカストーブはキャンプで使える?取扱説明書は「屋外」も禁止|テントの中・入口では使わない、本体は販売終了

アルパカストーブ(newアルパカストーブ TS-77JS-C)は、キャンプのテントの中では使わない。寝るときだけの話ではない。起きている間でも、テントの中・車の中では使わない。テントの入口や前室、タープの下に置いて使うこともしない。NITE(製品評価技術基盤機構)は、テント内や車内では石油ストーブなどの石油器具を使わないよう呼びかけている。

テントの外なら使えるかというと、そうでもない。日本で製造販売している株式会社ハピネスの取扱説明書は、「部屋の開口部や屋外、風のあたる場所」を、使ってはいけない場所に挙げている。保証書も、屋外での使用による故障や損傷を無料修理の対象から外している。家の部屋で使う石油ストーブで、キャンプ場で暖を取る道具ではない。なお、本体はハピネスが「既に販売終了」と案内していて、今は部品の販売と修理の受け付けが続いている。

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この記事は以前、アルパカストーブを冬キャンプ向けのストーブとして紹介し、テントの入口で使う記述を載せていた。これは誤りだった。テントやその近くで使う前提の説明は、すべて取り下げる。ここに書いた内容は、ハピネスの公式ショップと取扱説明書、NITE・消費者庁の資料で、2026年10月3日に確認したものだ。

冬の晴れた日中、雪が少し残る広い枯れ芝の野原と遠くの雪山
イメージ画像です。
目次

テントの中ではアルパカストーブを使わない|起きている間も同じ

公的機関の注意喚起は、テントの中で燃焼器具を使わず、屋外の風通しのよい場所で使う、という方向でそろっている。

発表元・資料日付書かれていること(原文)
NITE 製品安全情報マガジン Vol.423「一酸化炭素中毒の事故」2023年2月28日号「テント内や車内などでは、石油ストーブなどの石油器具やガスこんろなどのガス器具は使用しないでください。一酸化炭素中毒や酸欠によって窒息し、死亡するおそれがあります。」
NITE プレスリリース「増加するキャンプ需要~初心者が守るべき注意点~」2021年4月28日「テントの中などの換気が不十分な場所でたき火をしたり、ガスカートリッジこんろやポータブルストーブ、ランタンなどを使用したりすると、一酸化炭素中毒に至るおそれがあります。必ず屋外の風通しのよい場所で使用してください。」
消費者庁「行楽シーズン到来!安全にレジャーを楽しみましょう」2023年4月27日「テントの中などの換気が不十分な場所で、たき火やこんろ、ランタンなどを燃焼させると、一酸化炭素中毒に至るおそれがあります。必ず屋外の風通しのよい場所で使用してください。」

アルパカストーブは灯油を燃やす石油ストーブだ。取扱説明書の表紙には「自然通気形開放式石油ストーブ」と書かれている。NITEの言う「石油ストーブなどの石油器具」にあたる。

どの注意喚起にも、「換気をすれば」「一酸化炭素チェッカーを置けば」テントの中で使ってよい、という例外は書かれていない。時間帯の条件もない。チェッカーとテント内のストーブについては、テント内のストーブの記事で、警報器メーカー自身の注意書きとあわせて書いている。

取扱説明書は「屋外」と「部屋の開口部」での使用も禁じている

ハピネスの公式ショップに載っている取扱説明書(型式 TS-77JS-C)で、使ってはいけない場所を確かめた。「次の場所での使用は禁止です。」として、次のように書かれている。

取扱説明書の項目書かれていること(原文)
部屋の開口部や屋外、風のあたる場所「部屋の開口部付近や人の通る場所、狭い場所、つまずく場所で使用しないでください。」「家電類の排気のあたる場所や風のあたる場所では使用しないでください。」
傾いた場所、不安定な場所「床面は水平で安定した場所で使用してください。」「また、車両や船舶では使用しないでください。火災の危険があります。」
高地・酸素濃度の薄い場所での使用「酸素濃度が薄いことによって、異常燃焼をおこす原因となります。」
保証書の無料修理規定(保証期間内でも有料になる場合)「一般家庭用以外(温室や業務上の使用、車両・船舶への搭載など)に使用された場合の故障や損傷」「屋外使用による故障や損傷」

取扱説明書に、テントで使うことについての記載はない。「推奨される使用場所」の項目は、ストーブを部屋の中央に置くよう勧めていて、部屋の中に置く前提で書かれている。結露の注意にも「ストーブは室内で燃焼すると部屋が温まり」とある。家の部屋で使うことを前提にした製品といえる。

取扱説明書には、部屋の換気のしかたや、燃えやすい物から離す距離も書かれている。これは家の部屋で使うときの注意で、テントで使ってよい条件ではない。テントで使ってよい条件として読まないでほしい。

そして、屋外で使えないという記載は、テントの中なら使ってよいという意味ではない。テントの中は、上の表のとおりNITE・消費者庁が燃焼器具を使わないよう呼びかけている場所だ。以前の記事の、テントの入口で使う記述も取り下げる。テントの入口のそばは屋外で、取扱説明書は屋外での使用を禁じている。取扱説明書は「部屋の開口部付近」での使用も、転倒して事故やケガ、火災の危険があるとして禁じていて、「風のあたる場所」での使用も禁じている。テントの入口はこれらにあたる場所だ、というのが編集部の判断だ。排気の心配もある。NITEは、テントの外で使っている場合でも「風向きなどの条件次第ではテント内に燃焼した空気が滞留することがあります」としている。テントの前室はフライシートの下で、NITEは「特にテントの中やフライシートの下では絶対に使用しないでください」としている。タープの下も屋外で、取扱説明書が使用を禁じる場所だ。車の中も、上の表のとおりNITEが石油器具を使わないよう呼びかけている場所だ。テントサイトにはアルパカストーブを使ってよい場所はない、というのがこの記事の結論だ。

石油ストーブのほかの機種の取扱説明書が屋外での使用をどう書いているかは、冬キャンプの石油ストーブの記事で並べている。

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やかんを置く・調理に使うことも、TS-77JS-Cの取扱説明書は禁じている

以前の記事の、天板を湯沸かしや調理に使う記述も取り下げる。TS-77JS-Cの取扱説明書は、次のように書いている。

  • 「調理は厳禁です。」「調理などに使用しないでください。やけどをしたり、空だきによる火災の危険があります。」
  • 「やかんなどは使用しないでください。」「やかんなどをのせた場合は、振動や接触によって熱湯がこぼれ、やけどをしたり、ガラス部分が破損し、異常燃焼のおそれがあります。」
  • 「衣類などの乾燥には使用しないでください。」

以前の記事の、ストーブファンやリフレクターを使う記述も取り下げる。取扱説明書には、こうした道具を組み合わせる使い方は書かれていない。テントの近くで燃焼器具を使う使い方は、この記事では紹介しない。

寝るときに消す、だけでは足りない

取扱説明書は「寝るときや、外出するとき、消火することが困難な人だけになる場合等は消火を必ずしてください。」とし、「就寝時やストーブのそばを離れるときは、かならず火を消してください。」と書いている。NITEも、石油ストーブ・石油ファンヒーターの事故を防ぐポイントとして「就寝する前に必ず消火し、完全に消えたことを確認する。」を挙げている。NITEによると、2014年度から2018年度の5年間に通知のあった石油ストーブ・石油ファンヒーターの事故は95%(337件中321件)が火災になり、死亡事故は50件(57人)だった。

寝る前に消すのは正しい。ただし、これは起きている間ならテントの中で使ってよいという意味ではない。NITE・消費者庁は、時間帯などの条件をつけずに、テント内では燃焼器具を使わないよう呼びかけている。

本体は販売終了。部品と修理はハピネスが受け付けている

以前の記事は、本体を公式ショップや大手通販サイトで買う方法と価格を紹介していた。今の状況は次のとおりだ(2026年10月3日時点)。

  • 本体:ハピネスは公式ショップの会社案内で「newアルパカストーブは既に販売終了しておりますが」と書いている。トップページには本体の画像と価格の表示が残っているが、リンク先の本体の商品ページは開けなかった。
  • 部品:公式ショップの「ストーブ部品」に、TS-77JS-C 用の替え芯・燃焼筒・タンクなどが載っている。取扱説明書は、交換部品に「ニューアルパカストーブ純正部品(指定された部品)」を使うよう書いている。
  • 修理・相談:会社案内に「石油機器技術管理士が在籍しており、修理のご依頼も承っております。」とある。取扱説明書にはフリーコールの番号が載っているが、公式ショップは「電話対応はしておりませんのでメールにてお問合せ下さい」としている。

中古や転売品について、ハピネスはよくある質問で「海外や転売により第三者に渡ったニューアルパカストーブの保証は、いかなる状況に於いても行っておりません」と答えている。以前の記事の価格・購入先の比較は、今の状況と合わないので取り下げる。

名前の似た「アルパカプラス ストーブ」(TS-77NC)は、株式会社イルムの公式サイトで扱っている別の製品だ。公式サイトのよくある質問は「屋外で使用できますか?」に「屋内での使用を想定して設計しているため、事故や故障の原因に繋がる恐れがございます。」と答え、取扱説明書も「部屋の開口部や屋外、風のあたる場所」を使ってはいけない場所に挙げている。この記事では、キャンプで使う製品として紹介しない。以前の記事にあったパセコ(PASECO)のストーブの紹介も取り下げる。屋外で使うことを表示している石油ストーブは、冬キャンプの石油ストーブの記事で扱っている。

冬キャンプの寒さは、寝袋・マット・コットと服装で防ぐ

テントの中で火器を使わないなら、冬の夜の寒さを防ぐ本体は寝具だ。寝袋の対応温度の選び方や、マット・コットの重ね方は、冬キャンプで寝るときの寒さ対策の記事にまとめている。

電気の暖房も、テントの中で使う暖房としては勧めない。電気ストーブやホットカーペットも同じで、起きている間も含めて勧めない。理由は寝るときの寒さ対策の記事に書いた。

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電気毛布をポータブル電源で使ってよいかは、電気毛布とポータブル電源それぞれのメーカーに確かめてほしい。NITEは電気毛布について「就寝中はスイッチを切って眠りましょう」と呼びかけていて、寝る前に寝床を温める道具として使う。ポータブル電源があるからテントの中が安全になる、という意味ではない。

寒さが予報より厳しいときは、無理にテントで夜を越そうとしない。キャンプ場にバンガローなどの宿泊棟があるかどうかを、出かける前に確かめておくと選択肢になる。

霜の降りた冬の朝、ロータイプのコットの上の厚手の寝袋にブランケットを置く手元
イメージ画像です。

アルパカストーブを持っている人が確かめること

  • テントの中・入口・前室・タープの下・車の中では使わない:起きている間も同じ。換気や一酸化炭素チェッカーは、使ってよい条件にならない。
  • キャンプに持っていく暖房にしない:取扱説明書は「屋外」での使用も禁じ、保証書は屋外使用による故障や損傷を無料修理の対象から外している。
  • やかんを置かない・調理に使わない:家で使うときも、TS-77JS-Cの取扱説明書どおり、やかんをのせたり調理に使ったりしない。
  • 部品は純正品を使う:しんは TS-77JS-C 専用の純正部品(型式 TS-77JC)。わからない点は、ハピネスに公式ショップの案内どおりメールで問い合わせる。
  • キャンプ場のルール:消費者庁は「テントの設営場所、火の取扱いや道具の使い方等を事前に確認しておきましょう」と呼びかけている。焚き火や調理は、テントから離れた屋外の開けた場所で、その道具の取扱説明書とキャンプ場のルールに従う。屋外で使うよう呼びかけられていることは、だからテントの中なら安全、という意味ではない。
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この記事を書いた人

多数のジャンル案件を手掛けるWebライター。

趣味のソロキャンプを活かしたアウトドア案件は特に得意とし、取材を兼ねた愛車のジムニーJA-11改でキャンプ場ワーケーションに出かけることも多い。

元飲食店主の経歴もあるためキャンプ飯にはこだわりたいタイプ。

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