ジムニー車中泊のコツ|JB64・JB74は前席を倒してフルフラット、スズキは「エンジンをかけたまま仮眠しない」

ジムニー車中泊のコツ|JB64・JB74は前席を倒してフルフラット、スズキは「エンジンをかけたまま仮眠しない」

現行のジムニー(JB64)とジムニー シエラ(JB74)は、スズキ公式サイトの説明で「フロントシートを後方いっぱいに倒せばフルフラットになり、車内でゆっくり休めます」とされている。リヤシートを倒した荷室も「入り口から奥まで段差がなくフラット」で、横幅は1,300mmある。つまり、特別なキットがなくても、シートを倒せば寝るための空間は作れる。

いっぽうでスズキは、同じページのフルフラットの写真のすぐ下に「エンジンをかけたまま仮眠しない」という警告を載せている。理由の一つめは「周囲の状況や風向きで排気ガスが車内に侵入し、一酸化炭素中毒のおそれがあります」だ。車内でコンロやストーブなどの火器を使うことも、NITE(製品評価技術基盤機構)やコンロのメーカーがはっきり禁じている。

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この記事は、以前「ジムニーのオーナーである筆者」の体験として書いていた内容を、スズキやメーカー各社の公式情報に沿って書き直したものだ。以前の記事には「どうしてもやむをえず車内で火器を使う場合」の注意点を載せていたが、これは取り消す。ここに書いた仕様・価格・注意事項は、スズキ公式サイトとアクセサリーカタログ、各メーカーの公式サイト・取扱説明書、NITE・JAFの公表資料に載っているものだ(2026年9月27日に閲覧。価格は税込・2026年9月時点)。

厚手のマットの上に置いた緑の寝袋のアップ
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目次

JB64・JB74は「フロントシートを後方いっぱいに倒せばフルフラット」

スズキ公式サイトのジムニーとジムニー シエラの内装ページには、シートアレンジについて次のように書かれている(両車とも同じ文)。

項目スズキ公式の記載
フルフラット「フロントシートを後方いっぱいに倒せばフルフラットになり、車内でゆっくり休めます。」
リヤシートを倒した荷室「入り口から奥まで段差がなくフラット」「横幅1,300mmのワイドなスペース」
荷室容量(リヤシートを倒したとき)352L(ジムニーはラゲッジボックスを装備するXC・XLの場合。XGは377L)
後席シートベルト脱着可能なバックル。「ベルトをすっきりと収納できるので、後席を荷室として使用する際の利便性が高まります」

公式サイトの「フルフラット時」の写真では、前席のヘッドレストを外して背もたれを後ろいっぱいに倒し、起こしたままのリヤシートの座面とつなげている。シートの倒し方やヘッドレストの外し方の細かい手順は、車に付いている取扱説明書で確かめてほしい。5ドアのジムニー ノマドについては、この記事では扱っていない。

「フルフラット」と書かれていても、前席の座面と背もたれの間には凹凸が残る。後で紹介するジムニー用マットの販売ページにも、前席には「取り外したヘッドレスト、クッション、スノコ等を置くとよりフラットに近い状態にすることができます」とある。

段差はマットで埋める|専用マットとインフレーターマット

寝心地を左右するのは、シートの凹凸をどれだけ埋められるかだ。以前の記事で紹介したマットと、スズキ純正アクセサリーのうち、公式の販売ページやカタログで今も買えることを確かめたものを並べる。

製品公式の表示(2026年9月27日時点)
K.Craft ジムニー・ジムニーシエラ JB64/JB74専用 車中泊マット ベッド 1枚セット【強化改良Ver.】15,600円(正規取扱ショップの販売ページの表示。税込の記載なし、送料900円)。内部素材はEPE、表面はPVC。「国内製造された日本製品」「MT / ATどちらでも使用可能」「2枚使用すると複数人での車中泊も可能」
FIELDOOR 車中泊マット(10cm厚/Sサイズ)6,710円(税込・メーカー直営ショップ)。本体サイズ(約)60×188×10cm、収納時(約)直径28×68cm、(約)2.7kg。ボタンで2枚以上を連結できる
スズキ純正アクセサリー リラックスクッション本体価格25,850円(メーカー希望小売価格・消費税10%込み、取付費は別)。全長210×幅54×厚さ2cm。「助手席側にのみ装着できます」

K.Craftの専用マットのサイズと重さは、販売ページの本文では確かめられなかった。買う前に販売ページの画像や問い合わせで確かめてほしい。FIELDOORのマットは車種専用ではないので、荷室や倒したシートの長さと幅(本体は約60×188cm)を先に測っておくと失敗しにくい。


スズキの純正アクセサリーカタログは、車中泊向けの品の説明に「※安全のためエンジンをかけたまま車中泊を行なわないでください。」と書き添えている。マットで寝床を整えたら、エンジンを止めて眠るのが前提だ。

厚手のインフレーターマットを両手で広げている手元のアップ
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寝袋は「快適温度」を見て選ぶ|エンジンを止めた車内は冷える

ジムニーの車内は家庭用の布団を広げるほどの広さはないため、寝具は寝袋が現実的だ。以前の記事で紹介したコールマンの寝袋は、今も公式オンラインショップで販売されている。

  • コールマン マルチレイヤースリーピングバッグ(型番 2000034777):15,950円(税込)。使用時サイズ約90×200cm、収納時約52×29×38cm、重量約4.9kg。快適温度はアウトレイヤー+ミッドレイヤー+フリースで−5℃、アウトレイヤー+フリースで5℃、ミッドレイヤー+フリースで12℃。

公式ページに載っているのは「快適温度」で、使用できる下限の温度は書かれていない。以前の記事は商品名から「使用下限温度-5度」と紹介していたが、公式の表記に合わせて直した。

エンジンを止めた車内がどこまで冷えるかは、JAF(日本自動車連盟)が実験している。立ち往生で車内に取り残される場面を想定し、外気温が−10℃を下回る夜にエンジンを止めたミニバンで8時間、30分ごとに続けるかを確かめながら寒さに耐える実験をしたところ、朝の車内温度は−7℃まで下がった。冬山用の寝袋を使ったモニターも「朝方になって結構寒さを感じてきつかったです」と話している。冬に車中泊をするなら、行き先の最低気温に合った寝袋が必要だ。冬の車中泊の注意点は、冬の車中泊で一酸化炭素中毒・凍死を防ぐ記事にまとめている。

エンジンをかけたまま寝ない|スズキ公式の警告

スズキ公式サイトのジムニーとジムニー シエラの内装ページでは、フルフラットの写真のすぐ下に、イラスト付きで「エンジンをかけたまま仮眠しない」と書かれている。理由として挙げているのは次の3つだ。

  • 「周囲の状況や風向きで排気ガスが車内に侵入し、一酸化炭素中毒のおそれがあります。」
  • 「無意識にチェンジレバーまたはセレクトレバーを動かしたり、アクセルペダルを踏み込んだりして、思わぬ事故を起こすおそれがあります。」
  • 「無意識にアクセルペダルを踏み続けると、エンジンや排気管などが過熱して火災のおそれがあります。」

雪の日は特に危ない。JAFの実験では、ボンネットの上まで雪に埋まった車でエンジンをかけ、エアコンを外気導入にすると、車内の一酸化炭素濃度は16分後に400ppm、その6分後に測定上限の1,000ppmに達した。マフラー周辺を除雪せず、運転席の窓を5cmほど開けて同じようにエンジンをかけた車でも、約40分後に400ppmに達し、その後すぐ800ppm台になった。窓を少し開けても排気ガスの流入は防げない。JAFは降雪時に車内にとどまる際は「できるだけエンジンを切るようにしましょう」と呼びかけている。暑さ寒さをエンジンの冷暖房でしのぐのではなく、寝袋や服装で備えておきたい。

「窓を開けてチェッカーを置けば車内で火器を使える」は誤り

以前の記事は、火器は外で使うよう書いたうえで、「やむをえず車内で火器を使う場合」として窓を開ける・一酸化炭素チェッカーを置く・消火器を用意する、という条件を挙げていた。これは取り消す。公的機関とメーカーの書き方は、条件付きの例外を認めていない。

  • NITE(製品安全情報マガジン Vol.423、2023年2月28日):「テント内や車内などでは、石油ストーブなどの石油器具やガスこんろなどのガス器具は使用しないでください。一酸化炭素中毒や酸欠によって窒息し、死亡するおそれがあります。」
  • SOTO(レギュレーターストーブ FUSION ST-330 取扱説明書「警告」):「屋外専用ですので家の中、テントの中、車の中では絶対に使用しないでください。一酸化炭素中毒死や酸欠による窒息死のおそれがあります。」
  • 新コスモス電機(アウトドア用一酸化炭素アラーム CL-725 取扱説明書):「この製品の使用により、テント内や車内などにおける火気の使用を推奨するものではありません。」

窓を開けることも、警報器を置くことも、車内で火を使ってよい条件にはならない。警報器は一酸化炭素を知らせる道具で、発生を防ぐものではない。寝るときだけでなく、起きている間でも車内では火器を使わない。テントの中のストーブについてNITE・消費者庁・メーカーが何と書いているかは、テント内のストーブについての記事で並べている。

調理は車の外で|SOTO ST-330は「屋外専用」

車中泊で温かい食事をとりたいなら、車から離れた屋外の風通しのよい場所で、キャンプ場や施設のルールに従って調理する。以前の記事で紹介したSOTOのシングルバーナーは、今もメーカー公式で販売されている。

  • SOTO レギュレーターストーブ FUSION(フュージョン)ST-330:11,880円(税込)。使用時の本体サイズ幅350×奥行120×高さ90mm、重量250g(本体のみ)、発熱量2.6kW(2,200kcal/h)、使用燃料はSOTO製品専用容器(カセットガスタイプ)、ボンベは別売。生産国は日本。

商品ページには「屋外専用です。」とある。取扱説明書は、屋外でも「換気の不十分な状態で使用しないでください」、燃えやすいものからは「30cm以上離してご使用ください」、強い風が吹くときは使用しないよう書いている。バックドアを開けた荷室も車の中なので、ここでは使わない(取扱説明書は「車の中では絶対に使用しないでください」)。車のすぐ脇の囲われた場所も避ける。取扱説明書は「石やブロックおよび板等で全面を囲んでの使用」もやめるよう書いている。屋外で使うよう求められているのは、車内やテント内なら安全だからではない。車内・テント内では、起きている間でも使わない。

晴れた日中の芝生の上。車から離れた場所の低いテーブルに置いた小型のシングルバーナーでお湯を沸かしている様子
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車内の明かりはLEDランタンに

車内で使う明かりは、燃料を燃やさないLEDランタンにする。以前の記事で紹介したジェントスのランタンは、今も公式ストアで販売されている。

  • GENTOS エクスプローラー EX-366D:8,446円(税込・GENTOS公式ストア)。明るさは白色で最大1000ルーメン、光の色を白色・昼白色・暖色に切り替えられる。電源は単1形アルカリ電池3本(別売)、単3形・単4形各6本、専用充電池のいずれか。耐塵・耐水はIP66準拠、重さ872g(電池含む)。

以前の記事にあった、通販で買った別の充電式ランタンが1年もたずに充電できなくなったという体験談は、根拠を示せないため外した。電池の種類ごとの点灯時間は公式ページに載っているので、泊数に合わせて確かめてほしい。

車外と屋根を使って、車内を寝る場所にする

車内を寝るための場所にするには、荷物と過ごす場所を車の外に出す工夫が役に立つ。以前の記事で紹介したものと、スズキ純正アクセサリーのうち、公式で確かめられたものを並べる。

製品公式の表示(2026年9月27日時点)
スズキ純正アクセサリー カータープ(「ogawa」×「SUZUKI」)本体価格45,100円(メーカー希望小売価格・消費税10%込み)。本体サイズ幅約250×奥行約250×高さ約220cm、製品重量約2.5kg。付属の吸盤でルーフパネルに固定。「※カータープ装着時は、エンジンを必ず停止してください。」「※遮光生地ではありません。」
シーエルリンク スクエアルーフラック(JB64/JB74用)66,000円(税込)。アルミ製、外寸約L1,600×W1,250×H100mm、JB64/JB74用は約24kg、製品耐荷重100kg。「※最大積載量は、車両の許容荷重をご確認ください。」
モーターファーム JB64/74 サンシェード6P(商品コード 64IN-SS)11,990円(税込)。「5層構造の断熱シート」、強力吸盤で固定
スズキ純正アクセサリー プライバシーシェード(メッシュ付)本体価格51,260円(メーカー希望小売価格・消費税10%込み)。フロントガラス・フロントドア左右・リヤクォーター左右・バックドアの6点セット。「※装着した状態での走行はできません。」

カータープやサンシェードは、タープの下や車の近くで火を使ってよいという意味ではない。焚き火や調理は、車とタープから離れた場所で行ってほしい。ルーフラックは、取り付けや積み方を製品の説明書で確かめ、車両の許容荷重を超えないようにする。


先代JB23は、専用マットや収納ボックスで段差を埋める

先代のジムニー(JB23)は、リヤシートを倒しただけでは現行型のような平らな寝床になりにくい。JB23専用の車中泊用品として、次のものが公式で販売されている。

  • セルタン NOMAD BASE ジムニー JB23専用車中泊フラットマットレス【全席用】:フレームありタイプ22,990円、フレームなしタイプ24,990円(いずれも税込・送料込)。「スズキジムニーGF-JB23W専用」「日本製」。
  • アイリスオーヤマ 収納ボックス RVBOX 770F:2,870円(税込・アイリスプラザ)。外寸幅約77×奥行約32×高さ約15.5cm、容量約20L、耐荷重約30kg。公式は「耐荷重は測定値であり、保証値ではありません」「ふたには耐荷重以上の荷重をかけないでください」と書いている。

以前の記事では、RVBOX 770FをJB23の荷室のくぼみに置いて上にマットを敷く方法を紹介していた。車に合うかどうかはメーカーが確かめたものではないため、アイリスオーヤマも「車載する場合は、お車のトランクのサイズを確認の上、お買い求めください」としている。先々代のJA11は、リヤシートを外すなどの改造を前提にした話になるため、この記事では扱わない。

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この記事を書いた人

熊本県在住、バイクが趣味のWebライター・ライダー。

外メシと外昼寝が大好きで、愛機 Kawasaki 250TR に道具を積み、ツーリングに行く。

スズキ・ジムニー(JB64)を最近購入。アウトドアグッズを少しずつ買い揃え、キャンプに行くことを目論んでいる。

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