ストーブファンは、薪ストーブなどの熱くなった天板の上に置き、その熱で発電して羽根を回すファンだ。電池もコンセントも要らない。ただし、石油ストーブメーカーのトヨトミは、よくある質問で、エコファン(ストーブファン)を石油ストーブの上に置いて使うことについて「故障の原因につながりますので使用しないでください。」と答えている。置く前に、ストーブの側のメーカーの案内を確かめたい。
そして、テントの中や車の中では、ストーブを使わない。寝るときだけの話ではない。起きている間でも、テントの中ではストーブに火をつけない。ストーブファンを置いて空気を回しても、テントの中でストーブを使ってよいことにはならない。
以前の記事の、テントの中でストーブを使って温度を測った記述と、テントの中を暖める道具として勧めた記述は取り下げる。以前は16製品を紹介していたが、今回はメーカーの公式サイトで仕様と価格を確かめたホンマ製作所の1製品に絞った。ここに書いた内容は、2026年10月3日に各メーカーの公式サイトと、NITE(製品評価技術基盤機構)・消費者庁の資料で確認したものだ(価格は2026年10月3日時点)。

ストーブファンとは|熱い天板の上で、その熱から発電して回るファン
ストーブファンは、熱くなったストーブの天板の熱で電気を起こし、その電気でモーターを回して羽根を動かす。ホンマ製作所の公式オンラインショップは、ガード付ストーブファン HL-800G を「● 電気、コード、電池不要!」「● 薪ストーブ天板の熱で自家発電し、ファンが自動的に回転します。」と説明している。
天板の熱で動く道具なので、天板が熱くならないストーブの上では使えない。ホンマ製作所は、この製品の適正温を「90~320 ℃」としている。
以前の記事の、仕組みについての説明の一部は、今回確かめたメーカーの説明と合わないので削除した。暖房の効率や室温が上がるという数字も、出典を示せないため削除した。
トヨトミは、石油ストーブの上でエコファンを「使用しないでください」としている
ストーブファンは、ストーブの天板に載せて使う道具だ。だから、ファンのメーカーだけでなく、ストーブのメーカーが天板の上に何を置いてよいとしているかを確かめる必要がある。
トヨトミは、石油ストーブのよくある質問で、次のように答えている。
「A.故障の原因につながりますので使用しないでください。石油ストーブの天板の上は、350℃から400℃になります。エコファンの故障に繋がりますので、使用しないでください。」(トヨトミ よくある質問「エコファンをストーブの上に置いて使用していいですか?」)
トヨトミが書く「350℃から400℃」は、ホンマ製作所の適正温の上限(320℃)を超える。
以前の記事の、石油ストーブの上での使い方と、石油ストーブの温度についての記述も取り下げる。石油ストーブに載せたいときは、まずそのストーブのメーカーに、エコファンを置いてよいかを確かめてほしい。ファンのメーカーが石油ストーブで使えると案内していても、ストーブの側のメーカーが使わないよう案内していれば、そちらに従う。
テントの中・車の中ではストーブを使わない|起きている間も同じ
公的機関の注意喚起は、テントの中や車の中で燃焼器具を使わず、屋外の風通しのよい場所で使う、という方向でそろっている。
| 発表元・資料 | 日付 | 書かれていること(原文) |
|---|---|---|
| NITE 製品安全情報マガジン Vol.423「一酸化炭素中毒の事故」 | 2023年2月28日号 | 「テント内や車内などでは、石油ストーブなどの石油器具やガスこんろなどのガス器具は使用しないでください。一酸化炭素中毒や酸欠によって窒息し、死亡するおそれがあります。」 |
| NITE プレスリリース「増加するキャンプ需要~初心者が守るべき注意点~」 | 2021年4月28日 | 「テントの中などの換気が不十分な場所でたき火をしたり、ガスカートリッジこんろやポータブルストーブ、ランタンなどを使用したりすると、一酸化炭素中毒に至るおそれがあります。必ず屋外の風通しのよい場所で使用してください。」 |
| 消費者庁「行楽シーズン到来!安全にレジャーを楽しみましょう」 | 2023年4月27日 | 「テントの中などの換気が不十分な場所で、たき火やこんろ、ランタンなどを燃焼させると、一酸化炭素中毒に至るおそれがあります。必ず屋外の風通しのよい場所で使用してください。」 |
NITEのプレスリリースの本文資料は、燃焼器具を「特にテントの中やフライシートの下では絶対に使用しないでください」と書いている。フライシートは、テントの上に重ねて張る布のことだ。実験では、ソロキャンプ用テントのフライシートを閉めた状態でホワイトガソリン式のポータブルストーブを使ったところ、「約 15 分で濃度が 200ppm を超えました」。
どの資料にも、「起きている間なら」「入口を開けておけば」「ファンで空気を回せば」テントの中で使ってよい、という例外は書かれていない。ストーブファンは、ストーブの熱を横に送るだけの道具で、一酸化炭素を減らす道具ではない。「屋外の風通しのよい場所で」という呼びかけは、テントの入口を開ければテントの中でもよい、という意味ではない。
以前の記事の、車中泊についての記述も取り下げる(テントの中での温度の測定の記述は、冒頭で書いたとおり取り下げた)。テントの中のストーブについての詳しい話は、テント内のストーブについての記事にまとめている。

公式で仕様と価格を確かめた製品|ホンマ製作所 HL-800G
メーカーの公式サイトで、今も販売していること、仕様と価格を確かめたのは、次の製品だ。家の薪ストーブや暖炉など、ストーブのメーカーと取扱説明書が使ってよいとしている場所で、天板の熱いストーブに載せる道具として紹介する。
| ホンマ製作所 ガード付ストーブファン HL-800G | |
|---|---|
| 価格(公式ショップ) | 19,900円(税込) |
| サイズ | W170×D110×H170mm(持ち手含め:H180mm) |
| 重量 | 620g |
| 適正温 | 90~320 ℃ |
| 主な特徴 | ケガ防止の安全ガード付き |
| 材質 | 本体・ファン:アルミ、把手:ステンレス、ガード:鉄 |
ホンマ製作所は、公式オンラインショップで薪ストーブや煙突も扱っている。そのショップは、この製品を「薪ストーブの熱を効率的に室内に循環できるエコなファンです。」とも説明している。2026年10月3日時点の表示は「在庫あり」だった。
実際に選ぶときは、品ぞろえの多い通販サイトで見比べると早いです。アルペンの公式オンラインストアやアウトドア・キャンプ用品通販のエルブレスでも探せます。
買う前に、載せるストーブの天板が何℃になるか、そのストーブのメーカーが天板に物を置いてよいとしているかを、先に確かめておきたい。
「日本製」は、部品ごとの表示を確かめる
以前の記事は、見出しで「日本製はどれ?」と問いかけていた。今回確かめたホンマ製作所の製品は、日本の会社が販売しているが、全体を「日本製」と言い切れる表示ではない。
ホンマ製作所は、生産国を「本体・ファン・把手(持ち手) … 中国製 ガード…日本製」と、部品ごとに書いている。
使うときの注意|温度の上限・羽根・置く場所
ストーブファンは熱い天板に載せて使うので、本体も熱くなる。以前の記事にあった注意のうち、メーカーの案内で確かめられたものは次のとおりだ。
- 温度の上限を超えない:ホンマ製作所の適正温は「90~320 ℃」だ。載せるストーブの天板がこれを超えないかを、先に確かめる。
- 羽根に触れない:ホンマ製作所は、ガードを「ケガ防止安全ガード付です。」と説明している。ガードのない製品では、回っている羽根に手を近づけない。
- 天板に置けるかを確かめる:トヨトミのように、石油ストーブの上で使わないよう案内しているメーカーがある。ストーブの取扱説明書とメーカーの案内を先に確かめる。
以前の記事にあった、耐熱温度とストーブの温度についての数字は、出典を示せないため削除した。熱くなった本体の動かし方は、製品の取扱説明書に従ってほしい。
冬キャンプの寒さは、寝袋・マット・服装で防ぐ
以前の記事の、ストーブファンをテントの中を暖める道具として勧めた記述も取り下げる。「寝るときは消す」だけでは足りない。起きている間でも、テントの中ではストーブを使わない。上の公的機関の呼びかけに、時間帯の条件はついていない。
冬の夜の寒さは、火を使わずに防ぐ。寝袋・マット・コットなど、寝るときに必要なものは冬キャンプの寒さ対策の記事に、冬キャンプの暖房の考え方は冬キャンプの暖房の記事にまとめている。

まとめ|ストーブファンについて押さえておく3つのこと
- ストーブの天板に載せてよいかは、ストーブのメーカーに確かめる:トヨトミは、石油ストーブの上でエコファンを使わないよう案内している。天板は「350℃から400℃」になるとしている。
- ファンの温度の上限を守る:ホンマ製作所 HL-800G の適正温は「90~320 ℃」。
- テントの中・車の中ではストーブを使わない:起きている間でも同じだ。ストーブファンを置いても、テントの中でストーブを使ってよいことにはならない。
情報源
- トヨトミ よくある質問「エコファンをストーブの上に置いて使用していいですか?」 https://www.toyotomi.jp/support/oil_stove/faq/post_1978(2026年10月3日に閲覧)
- ホンマ製作所オンラインショッピング「ガード付ストーブファン HL-800G」 https://www.honma-seisakusyo.jp/shopdetail/000000001067/(2026年10月3日に閲覧)
- NITE(製品評価技術基盤機構)プレスリリース「増加するキャンプ需要~初心者が守るべき注意点~」2021年4月28日 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2021fy/prs210428.html、本文資料(PDF) https://www.nite.go.jp/data/000138994.pdf(2026年10月3日に閲覧)
- NITE「製品安全情報マガジン Vol.423 2月28日号『一酸化炭素中毒の事故』」2023年2月28日 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2022fy/vol423_230228.html(2026年10月3日に閲覧)
- 消費者庁「行楽シーズン到来!安全にレジャーを楽しみましょう」2023年4月27日 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_069/(2026年10月3日に閲覧)








